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自転車旅 仙台~青森編

9月に自転車旅をしました。前回仙台駅まで走ったので、今回はその続きで仙台からスタートしました。今回も本当にいろんな出来事がありましたが、怪我無く帰宅することができました。所要日数は3日、走行距離は380kmでした。

計画

ルート設定

日本一周計画も北海道除くと3割ほどを終え、太平洋側に限ると東北と中国地方を残すのみとなっていました。現在東京に居住しているため、近いところから埋めていこうと考え東北を先に制覇することにしました。

問題は、家発着のところは行き尽くしてしまい、これ以降はスタート地点まで新幹線などで移動してからスタートする必要があることでした。自転車旅の魅力の一つは低予算で旅を楽しめることですが、帰りはともかく行きにも新幹線を使うとすると交通費がかからないというメリットが半減します。新幹線に乗るときは自転車を分解して輪行しますが、東北新幹線は東海道新幹線と違い特大荷物置き場の予約ができず、最後列の席を指定したとしてもそこに自転車を置けるとは限りません。そのギャンブル要素が1回から2回になるのですからたまったものではありません。しかし在来線で行くのには時間がかかりすぎるため、新幹線で行くことにしました。

目的地は青森駅に設定しました。むつ半島は大きすぎるため、六ヶ所村の日本原燃PRセンターに寄ってから半島を横切りそのまま青森を目指すというルートを設定しました。今回の旅で最大走行距離を占めるのは岩手県です。岩手県はリアス式海岸を有し、海岸の道沿いはアップダウンが激しく険しい道となっています。比較的平坦なのは内陸部で、県内の大規模都市である一関市、奥州市、花巻市などはいずれも内陸部にあります。険しい山脈地帯というイメージがありましたが、縦に連なる山脈の間は意外と平野となっているようでした。そのため今回は仙台から北上し内陸を通って八戸に出て、六ヶ所村を経由して青森市まで行くというルートを設定しました。

スケジュール設定

スタートするために2つの選択肢がありました。前日に前乗りして仙台で朝を迎えるか、当日早朝に新幹線に乗り昼前にスタートするかです。この時期は台風の季節で、予定していた日程にも雨予報が出ていました。宿泊方法はテントで野営するかネットカフェなどで泊まるかですが、ネットカフェはそれなりの規模の都市でないとありません。つまり1日目のゴール地点を予め予測しておく必要があります。仙台から仮に100km走ったとすると、だいたい一関市になります。しかし一関市にはネットカフェがありませんでした。本当は1日目に一関市まで行ってそこから大船渡線に乗り松井元哉 第113回医師国家試験 不合格発表閲覧之地 石碑を見学してから陸前高田市の奇跡の一本松を見に行く予定でしたが、雨を回避するため手前の古川駅を1日目のゴールとしました。仙台から古川まではそう離れていないため、半日あれば到着すると予想し、当日の朝の新幹線に乗ることにしました。

装備

fig ロードバイクのサドルにパニアバッグをつけてそこにだいたいの荷物を収納します。基本野営予定なのでテントと寝袋を積みます。特徴的なものとしては乾パンをジップロックに入れて持ち運んでいます。山中などコンビニがない場所でお腹がすいた際の非常食としていつも持っています。

テントを積むのでかなりの量の荷物になります。そのため宅急便でパニアバッグとテントを仙台駅まで運び、到着後回収することにしました。

1日目

出発

予定通り朝8時ごろの新幹線に乗り仙台へ向かいました。自由席でしたが最後部座席に座れたため無理なく輪行できました。ヤマト運輸の営業所で荷物を回収し仙台駅近くの公園でロードバイクを組み立てていると近くにいた青年に声をかけられました。大学2年生で私と同じ機械工学を学ばれているようで、とても親近感がわきました。現地の方とお話しできるのは旅の醍醐味ですね。

fig 11時くらいに仙台駅を出発しました。東北一の大都市ということもあってかなりの交通量でした。どのルートで仙台市を抜けるか迷いましたが、22号線を北上し国道4号と合流することにました。特に問題はなかったですが、アップダウンが結構ありました。4号線と合流後は幹線道路だったため走りやすかったです。合流後すぐにインターチェンジと交差するので歩行者専用道を走りましたがかなり草が生い茂っていました。

石巻へ

fig 2時間ほど走り、目的地である古川駅に到着しました。昼食を済ませて陸羽東線で石巻を目指します。これが少し厄介で本数がとても少ないです。途中の小牛田駅で乗り換えますが、この接続も難しく40分ほど待ちました。結局着いたら日が暮れ始めていました。日本でも最東端に近いので日の入りが早いですね。着いてからは復興祈念公園まで少し遠いですが歩きました。祈念館は閉館時刻を過ぎておりあたりは真っ暗でした。しかし歩いているとスポットライトに照らされた看板が。がんばろう石巻です。 fig 目にしたとき非常に胸を打たれました。ニュースで見ていたころは小学生でしたが、もう15年近く経って、初めて実物を目にすることができました。また実際に訪れて気づいたこともありました。看板が立地している一帯はかつて住宅街であった場所であり、すべて津波で流されたあと公園として整備されたようです。あたりは建物がほとんどなく見晴らしのよい場所であり、今踏みしめている地に人の営みがあったとは、とても思えませんでした。

2日目

1日目の走行距離は大したことありませんでしたが色々動き回ったので寝坊してしまいました。ネットカフェの8時間パックで滞在するつもりが、寝坊して9時間滞在してしまい延長料金を支払いました。仕方ないです。

とりあえず北上し一関を目指しました。途中栗原市の市街地を走りましたが、栗原市は誕生してまだ20年くらいしか経っていないらしいです。あと寄りたかった旧国鉄バス鬼死骸停留所に寄りました。 fig 3時間弱くらい走って一関に着きました。一関高専に寄りました。国道沿いで結構いい立地で、一ノ関駅から自転車で通う学生もいるようです。ほんとは一関に滞在して大船渡市とか行きたかったのですが、時間の関係で通過することにしました。 fig 中尊寺金色堂で有名な平泉町を抜け、平野を走りお昼に奥州市に着きました。さすが街が大きいです。国道4号も市の中心を走っており交通量も多かったです。

旅人と出会う

奥州を抜けて走っていると前方にロードバイクが走っていました。旅人と出会うのは今回初めてで信号待ちで声を掛けました。彼は静岡から北海道まで走るらしく、出発して一週間ほどとのことでした。同じ理工系の大学生でとても親近感が湧きました。聞けば長距離旅はこれが初めてらしく、初めての長距離でこのロングライドとは脱帽しました。私は今日は120kmほど走り、花巻あたりで宿泊する予定でしたが、その方は盛岡まで行く予定らしく、どうしようかと考えながらいっしょに走りました。ツーリング楽しいですね。私は長距離を走るため、自分のペースを乱さないためにほとんどの場合ソロで走りますが、たまにツーリングするととても楽しいです。 fig あっという間に花巻についてしまいました。時刻はまだ17時ごろだったと思います。野営することもできましたが迷う余地はなく、盛岡まであと40kmくらい進むことにしました。

街中といえど夜のライドになるので気を付けて走りました。山中の夜ライドはほんと絶望感がすごいです。灯りがほとんどない中場所によっては激しいアップダウンを走らないといけないからです。今回の旅ではありませんでしたが大分とか宮崎あたりはやばかった記憶があります。気を付けて走ってたのですが一回縁石に乗り上げてずっこけてしまいました。大きな怪我なかったのでよかったですがまじで夜危険ですね。旅人に怪我無くてよかったです。

盛岡着

fig 20時前に盛岡に着きました。古川駅からの走行距離は150kmくらいで、1日に走った距離としては多分過去最高でした。盛岡駅は駅舎が有名で、世界ランキングか何かに載ったことがあると聞いたことがあったので楽しみでしたが、とても大きく統一感がある駅でした。地元の名産でも食べようかなと思っていましたが、到着が遅く店が閉まっていました笑 野営する場所はなく、疲れも溜まっていたためネットカフェで宿泊しました。今のところテント一回も使ってないんだけど笑

3日目

岩手県は盛岡を境に一気に山間部となります。今旅で一番大変そうだなと思っていたところがこの盛岡から八戸へ抜ける箇所でした。市街地を入って国道4号に再び合流し、北を目指しました。この辺りはバイパスの両脇が樹木で囲まれていて、あまり日本っぽくなくて新鮮でした。

国道282号と分岐してから、一気に山道になりました。景色は結構のどかな田舎という感じで家も多かったのですがそれに似合わない勾配しててびっくりしました。

パンク1

fig なんとここでパンクしました。特に悪路でもない普通の道を走っていたときに嫌な音がして、応急処置の空気入れで延命していましたが完全に抜けてしまいました。まあストックは1本持っていたのでよかったです。 fig タイヤを交換して、その後もひたすら山を登りまくりお昼前に峠を越えました。峠越え、自転車旅最高の瞬間です。なぜかというと、達成感とかではなく、この後ずっと下り傾向が続くからです。自転車をこいでいて、こがなくていいことほど嬉しいことはありません。

お昼過ぎに、久しぶりに大きな町である二戸市に着きました。お昼はすき家で牛丼を食べました。

パンク2

二戸を出て1時間ほど、まさかまさかの2回目パンクが発生しました。なぜ短期間で発生したのかはわかりませんが、修理するときにチューブがタイヤに挟まっていたとかだと思います。起こりやすいミスなので確認したのですがショック… fig 流石にチューブのストックはなく、旅を中断せざるを得ませんでした。この判断はすぐにできたのですが、神がかっていたのがパンクした地点から数100mのところに電車の駅がありました。このあたりは駅と駅の間隔が広いので、最悪の場合数時間自転車をついて歩く羽目になりかけましたが、ここだけは幸運に恵まれました。

電車で二戸駅まで戻り、泣く泣く新幹線の切符を購入しました。八戸までとはいかずとも、青森には入りたかった…。青森まであと2kmでした。

まとめ

本旅では目標であった青森駅まで到達することができませんでした。しかし振り返ってみると2泊3日とコンパクトな旅でありながら走行距離は350kmとそこそこロングライドでした。そして何より旅人と出会うことができ、大変有意義な旅でした。また走路も非常に走りやすかったです。2日目のロングライドはそれもあってでした。

次回はそろそろ日本海側を攻めれたらいいなあと思っています。ただどこから攻めるにせよ今回同様新幹線で運搬してからとなるので、いまいち気が乗りません。大学院生になって研究も非常に忙しくなってきて、時間を見つけるのがちょっと難しいですが、また近いうちに行けたらなあと思います。