表題のとおり,令和7年度国家公務員総合職採用試験に合格しましたので,振り返りをしてみようと思います.
試験について
国総について簡単に説明すると、いわゆるキャリア官僚として採用されるための試験です。合格すると霞が関で働くことになります。
試験は3段階に分かれています。まず全員が受験する1次試験。教養科目と専門科目が選択式で出題されます。3月に行われます。
次に2次試験は、1次試験合格者が受験することができます。専門試験(筆記)、政策論文試験、面接で構成されます
2次試験に合格した場合最終合格となり、入庁する官庁を決定する官庁訪問に参加する権利を得られます。 ちなみに私が受験したのは大卒区分ですが、院卒区分では政策論文試験の代わりに政策討論(グループディスカッション)が課されます。
試験勉強
私が勉強を開始したのは2月末でした。まず試験範囲を確認し、教養と専門に分かれていることを確認しました。私の専攻は機械工学のため、専門科目は四力をメインに選択しようと計画しました。
過去問を一通り見たところ、専門に関しては基礎的な内容が問われると判断したため、時間を割く必要はないと判断しました。そのため前日まで放置することにしました
問題は教養科目でした。いわゆるSPI試験のようなものらしく(私はSPIを受けたことがなくよくわかりませんが)、実力より練習量が問われるようでした。もちろん時事や化学・物理なども出題されますが、最も多くを占めるのが数的処理と呼ばれる問題形式です
確率の問題と、条件処理の問題がメインで出題され、なぞなぞのような感じでした。初めて過去問を見たとき、確率を含めさっぱり解けませんでした。そのためまず確率から勉強することにしました。そこまで難しいことが問われるかというとそうでもないとおもうのですが、自身が確率にとても疎く、nPrとnCrの違いも思い出せないレベルでした、そのためとりあえずそれを暗記しました。すると、結構の問題が解けるようになったので、それで勉強は終了しました。
条件処理に関してはなぞなぞ・パズル感覚で勉強するうち楽しく解けるようになってきました。思えば一次試験の大半は条件処理の勉強に当てました。Studyplusで記録を付けていたのですが、総勉強時間が24時間で、20時間くらいを条件処理に使ったと思います。
参考書としては「国家総合職過去問500」を使用しました。5年分くらい解いたと思います。本当にこの本しか使っていません。時事問題などに関しては勉強していません。時事といっても毎日無限の事象が発生する世界で勉強をするのは無意味だと考え、なんとなく、フィーリングで臨むことにしました。
一次試験
一週間ちょい前に受験票が送付されました。受験料は無料です。あらゆる人に門戸が開かれているという点でとても優れた試験だと思います。弁〇士試験とは大違いです。
会場を確認すると聞いたことない駅でした。しかも朝9時に集合とのこと。もうちょい立地考えてくれ…と文句を言いたくなりましたが、無料なのでそんなことを気にしてはいけません。当日、暗記事項をメモしたiPadと受験票と時計をカバンに入れ会場へ向かいました。
試験は午前が教養、午後が専門でした。教養しか勉強していなかったため、午前の試験に全力で取り組み、午後はぼんやり解きました。当日は雨だったのですが、会場はほぼ満員だったため湿度が高く、コンディションとしてはかなり悪かったように記憶しています。そのせいにするのは言い訳でただの実力不足ですが、教養は全部解き終わりませんでした。データ処理の範囲が手を付けられず、色塗りしました。数値計算がとても苦手で、時間の無駄だと思い他の問題の見直しに時間を費やしました。
専門科目に関しては、選択のため確定の答えを出せなくても選択肢から絞ることができました。しかし機械力学(流体だっけな?)で航空工学が出題されキレそうになりました。抗力とか揚力とか勉強はしましたが定義など全く覚えていませんでした。
二次試験
一次試験の合格発表が3月末にありました。その日は研究室の雑務をしていて、発表のスケジュールとかすっかり忘れていたのですが発表から数時間後に気づき、確認すると受かっていました。iOSで受験番号が文字化けするの本当にどうにかしてほしいです。
二次試験はまず専門と政策論文があり、別日に面接が行われます。二次試験は吉祥寺でした。いや、江古田なら江古田で統一してくれ…
過去問は公式サイトに上がってる分だけ見ました。結構専門的な内容が問われるようで、院試と似たような試験形態だなと感じました。そのためノー勉で凸ることにしました。
政策論文に関しては、本当に何をすればいいかわかりませんでした。前日まで放置しガチで焦りはじめ、Youtubeで政策論文 書き方とかアホ丸出しの検索をしていました。しかしその結果得られたことが一つだけありました。論文の最後に、自分が公務員になった際にしたいことを、問題の内容を踏まえ書くことです。具体的には、「私が公務員となった際には、国際情勢を見極めながら~し、~したい。」的な感じで書くといいらしいです。これは占めたと思い、これだけ頭に叩き込んで受験しました。
参考書としては使用したものはありません。
面接は、私は工学区分で受験したからなのかよくわかりませんが、経済産業省の別館でありました。内容に関しては特に外部に漏らすなとは言われていませんが、最終合格の身のため、リスクを避けるため伏せます。全く圧迫面接という感じではなく、緊張はしましたがその中でも楽しくお話しできたと思います。
結果
5月末に結果発表があり、無事に最終合格をしていました。これで、向こう5年間官庁訪問に参加する権利を得ることができました。
私は博士課程への進学を希望しているため、ストレートで卒業すると4年目に権利を行使することになるかもしれません。
また、博士課程は私のような研究始めたての者が決断できるような進路ではないと自覚しており、今後就職に切り替えることも可能性としてはあると考えています。その時の一つの選択肢として、この権利を得られたことは一つアドバンテージであると思っています。
今回の受験を通して、少なくとも公務員としては、国が求めるレベルの人材になれているということで自信がつきました。合格したから何というわけでもありませんが、エネルギーに変えて、これからも研究活動等に励もうと考えています。